
どの分野でもそうであろうが、語りかける人と、吸い込むように抱擁してくれる人がいる。
それまでは、無知の奏者であった。500人程入れる可愛いコンサートホールでのリサイタル。知人から簡単に聞いていたが、白紙同然で会場に入る。さすが、知っている人は、知っているみたいで、到着した時には満席で私達には特別に席を用意してくれる程だった。
会場に現われたのは、いかにも普通、86歳のおじいちゃんという感じだった。白髪で背が高く、どっしりとしていて、高齢だからかノソノソ、ゆっくりと歩いてピアノの前で聴衆者を見渡して椅子に坐る。
3歳からピアノを弾きはじめ、Julliard, Eastman 音楽学院で教えていたこともある。Stravinsky, Samuel Barber, Toscanini 等と、活躍していた時期もある。6代の歴代大統領の就任式の祝賀会に招待された、大物でもあるらしい。
リサイタルで弾いた曲には、
Mozart: Sonata in F minor K332
Beethoven: 32 Variations in C minor
Chopin: Ballade No.3 A-flat Major Op.47
Chopin: Mazurka No.25 in B Minor Op.33 No.4
Chopin: Fantaissie Impromptu Op. 66
Lizt: La Ricordanza (Transcendental Etude No. 9
Lizt: Les jeux d'eau a la Villa d'Este
が含まれていた。
私は、曲の説明は出来ないし、それよりも感銘を受けたのは、ピアノから生まれでてくるその生き生きとした音色である。その音はまるで小川のせせらぎの音なり、あの優しい春風が肌に柔らかく吹き付けているような感触。音に無理がなく、その音色はとても新鮮で、清らか。フッと気がついたら、そこには吸い込まれていく自分があった。ショパン、リストの曲では、まるで若手の奏者を思い浮かべる程、軽く滑走するように、或いは春先の新芽が大地から、ニョコ、ニョコ、ニョコと顔を出してくるように演奏していた。
コンサ?トが終わって、感謝とお礼に「あなたの演奏は、無駄なものを、玉ねぎの皮をはぎ取って残ったエッセンスを表現したように聴こえた。。。。」と感想を述べると、淡々と「Thank you.」の答えが帰ってきた。数日経って、思い浮かんだことは、ベ?ト?ヴェンを弾くとか、ショパンはこのように弾くとかではなく、彼の演奏には、作曲家が音符にする前の、“念”なり音の魂を表現しているのではないかということ。
丁度、彼のインターヴィユ=の記事が見つかったので、読んでみたら、私の勘はあたっていた。その中で2つ注目を浴びたことは、"I keep the music fresh by allowing it to happen while it is happening. I don't set it." "It is only when you are relaxed that it all comes together and music begins to happen. It is like life; once ou become too definite, too set about something, you are finished. That's what causeds a lot of divorces!"
つまり、物事を生み出すのに大切なことは“緩み”があることだ。緩めることにおいた、自ずから生まれるものがある。人生も同じである。物事を決めつけてしまうと、全ては新鮮さをなくしてしまう。離婚も、そのようなものだ!
今まで、アイデアとして分かっていたことだが、彼に出会えて自分の観点を次のレベルに移行することが出来た。只今今までの、音の体験を白紙に戻し、新しい観点から物事を楽しもうとヨチヨチ歩きし始めた、私が居る。
参考の為に、インタ?ヴューの記事を付属しておく。
http://www.shumeiarts.org/article_wild.htm
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魅力的な小品が40曲も収録されています。ハフ自身の編曲もあり、レヴィツキ、シュレーザーなど、あまり知られていない作曲家のピアノ音楽が楽しめます。ラヴィーナのエチュードやパルムグレンの「En route」は聴いていてとても楽しい気持ちにさせてくれますよ。2枚のCD 作曲家の感想【2007/09/28 10:50】

